性同一性障害で体の性別を変えずに心の性別を変えることはできるのか?

性同一障害とは体と心の性別が一致せず、苦しんでいる状態です。その苦しみを解消するために、心の性別つまりジェンダー・アイデンティティを変えるという選択肢も考えられます。しかしながら、次のような点からそのような治療は行われていません。

・現在の医療技術では、ジェンダー・アイデンティティを変えることはほぼ不可能です。

・多くの場合は、すでに本人がジェンダー・アイデンティティを体の性別に一致させようと努力をしていますが、そのような試みは本人に苦痛を与えるだけです。いったん確立されたジェンダー・アイデンティティは変わらないと考えてよいでしょう。

・そもそも当事者本人が、ジェンダー・アイデンティティを変更することを希望していません。様々な試みや苦悩を経て、体の性別を変更することを望んでいることが多いでしょう。

・ジェンダー・アイデンティティは、その人自身の人格を占める重要な要素であり、ジェンダー・アイデンティティを変更するということは、その人の人格を変えることにつながります。そのため、体の性格を変えることも当然慎重に考えるべき問題ではありますが、やはり人格(すなわちジェンダー・アイデンティティ)は、人が人であるために優先されるべきものであると考えるのが自然です。

ただし、注意すべき点もいくつかあります。

・自分が性同一障害だという認識を持っていても、実はそうではない場合もあります。ちょっとした性別違和感を持った時に自分が性同一障害だと思い込んでしまっているかもしれません。また、思春期の情緒不安定な時期に、ジェンダー・アイデンティティが混乱することもあります。これらの場合はカウンセリングや精神療法を受けることにより気持ちの落ち着きを取り戻すことができます。

・性同一障害であっても、体の性別とジェンダー・アイデンティティを必ず一致しなければならないということはなく、不一致なまま人生を送るという選択肢もあるかもしれません。生活環境、健康、仕事などの問題など、人それぞれの事情があり、その人自身がよりよい人生を送るための最善の方法を考えることが大切になります。

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